国連ボランティア(UNV)

国連ボランティア (UNV) 基礎情報& 給与大公開!


国連ボランティア(UNV)としてアフリカ某国で働いているあんりです。
JPO試験などに比べてあまり情報がない国連ボランティアについてあくまで自分の経験ですが、書き綴ってみました。情報は2022年現時点となる点をご留意ください!

そもそも国連ボランティアとは?

国連ボランティア計画(UNV)は、国連開発計画(UNDP)の下部組織として1970年の国連総会決議によって創設されました。UNVは、開発途上国における開発支援や紛争地域での緊急援助、その後の平和構築活動などに貢献する意志のある市民を世界中から募り、「国連ボランティア」として現地に派遣してきました。
国連ボランティア計画(UNV)とは より引用、抜粋 

国連ボランティア計画 (UNV)という国連機関が事業として世界各国の人を国連ボランティア(UNV)として各国連機関などに派遣しています

国連ボランティア(UNV)って何するの?

平均約10年の専門分野おける実務経験を持つ国連ボランティア(平均年齢は38歳)は、保健・医療、農村開発といった開発分野における活動から、紛争や自然災害等に対応する為の緊急人道支援、また効果的な開発協力の基盤となる平和構築や選挙支援・民主主義の推進、人権擁護などの活動、自動車整備、航空管制、通信などの後方支援分野に至るまで、100種類以上の職種にわたる活動を行なっています。
活動内容 | 国連ボランティア計画(UNV)より引用

UNVは各国際機関等に派遣されてそこで職員として仕事をします。
具体的なUNVの職務は与えられたポジションや派遣機関によって異なります。例えば、UNVとしてUNDPカンボジア事務所でデータ分析に携わっている人もいれば、UNVとしてUNNCR コンゴ事務所で難民保護プログラムのプログラムマネジメントに携わっている人もいるということです。実際に赴任する形(オンサイト)ではないオンラインUNVもあり、こちらは数週間単位での翻訳業務なども募集されています。

待遇は?

ボランティアということは、無給?と思われるかもしれませんが手当て(給与)が支払われます!!
一体いくらもらえるのかについては、UNVの種類(national/ international, youth etc.) や赴任国、帯同者の人数によって変わるのですが、こちらで公開されているEntitlement calculator(待遇計算機)で赴任国などを入力するとかなり正確な目安が公開されています!


例えばカンボジアのプノンペンでInternational UN Volunteer Specialist として家族帯同なしで検索すると

このような形で結果が出ます

それぞれの条件によってUNVの待遇は変わるのですが、
今回の例の目安だと
1. 赴任準備費として4000 USD (渡航費用は別払い)
2.月々の給与にあたる手当て 2350.34$
3.契約期間をまっとうした場合退職金にあたる 一月あたり225$が契約期間分

ということですね。

あくまでも目安なので具体的な額は異なる可能性がありますが、かなり正確な目安だと思います。これが高いと思うか安いと思うかは赴任国の物価によるところも大きいです。
また、例えば一部の国では物価が安くても安全を確保するためにものすごくお金がかかる場合などもあります。
私の具体的な給与もInternational UN Youth Volunteerでアフリカの国をいろいろ検索していただいたら、大体これくらいかなというのがわかると思います 笑


国連職員って超高収入じゃないの?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、それはPスタッフやDスタッフと呼ばれる国連職員の待遇であり、UNVはそういった「超高待遇」ではないです。

待遇のみでみると、派遣国やUNVの条件にもよりますが、同じく給与がある程度公開されている大使館専門調査員等の方が良いのではないかと思います。(個人の感想です)

UNVって国連職員?

UNVが国連職員かどうかよく聞かれるのですが、答えはYESでありNOだと思います。
というのも、判断軸によって国連職員と判定するのかどうかが異なりますが個人的にはYESに近いと思います。
例えば業務内容的にいうと完全にYESで、UNVは国連職員といえると思います。
UNVだからといって何か特別業務が異なるということはなく、言われないと誰がUNVで誰がそうでないかなどわかりません。後から実はあの人はUNVなんだと知ることもあります。
UNVとしての契約を延長して5年など組織にいる場合もあり、そのような場合組織の中でも古株になるなど一般的にイメージされる国連職員といった感じではないでしょうか。

ではなにをもってNOかというと、厳密な定義ではUNVは国連職員ではないようです。
例えば 国連「正」職員という表現をする場合は先ほどでてきたPスタッフ以上のことを言う場合もあるので、UNVは広義では国連職員といえるかもしれませんが正式にはUNVは国連職員ではないようです。

実際勤務をはじめると、自分がUNVということを特別意識することはなく国連で働いているいちスタッフといった認識です。例えば、他機関の人に自己紹介をする際、仮に私のポジション名がData Analysis Assistantだとすると、「Data Analysis Assistant のあんりです」とは言うものの「UNVのあんりです」とは言いませんし、パソコンやメールアドレス等も他の職員と同様に組織のものが与えられます。
業務もUNVだからと簡単な仕事や責任がない仕事のみ任されるということはなくガッツリ仕事をします。

ちなみに、私がUNVとして何をしているのかについては、もう少し日が経ったら私の1日のような感じで具体的にご紹介したいと思います。

UN Youth Volunteer とは? 

私は厳密に言うとUN Youth Volunteerとして働いています。
UN Youth VolunteerがUN Volunteerと何が違うのかと言うと…現時点で私が理解している範囲では主に年齢の違いです。(18-29才、募集によっては22-27才等もある)
また、待遇も若干違います。職務内容を含めてその他に大きな違いはないかと思います。


UN Youth Volunteerについては詳しくは
こちらのウェブページに書いてあります。(英語)
日本語でUN Youth Volunteerについて調べると大学から派遣されるYouth Volunteerの情報が多く出てきますが、そちらは UN Youth University Volunteerというまた別のカテゴリーの
ようです。

UNVの良いところ

国連機関の登竜門となる 
UNVを経験して、その後空席公募やJPO試験を受けて国連正職員となる方も多くいらっしゃるように、UNでの経験を活かして次のポストにつなげやすい(?)要素もあるのではないかと思います。

敷居が若干低い
例えばJPO受験の条件は業務経験2年+修士号保有ですが、UNVはポジションによっては学士で申し込めたり勤務経験も年数が少なかったりとJPO等よりは応募しやすいように思います。周りを見渡すとUNVでも修士号を保有されている方が多いですが、私は修士号は保有しておらず学士号で勤務しています。ちなみに学歴はYouth かどうかは関係なく、Youthでも修士号を求めるポジションもあればYouth でなくても学士号で応募可能なポジションもあります。
また、UNVにはJICA海外協力隊経験者のみ応募できるJOCV枠などもあるので、JICA海外協力隊経験者の方にとってはかなり魅力的な制度なのでないでしょうか。

UNVに応募したい!と思ったかたはこちらのブログで応募方法についてまとめているのでぜひ参考にしてください。

fin.