国連ボランティア(UNV)

国連ボランティア(UNV) 国連勤務の長所/短所

長らく間があいてしまいましたが、国連ボランティア(UNV)として某アフリカ国で働いていた経験を。「良かったこと、悪かったこと」という視点で改めて振り返りたいと思います。

UNVに関しての記事は以下などがあります。
国連ボランティア (UNV)合格体験談  ー応募プロセス、時系列ー
国連ボランティア (UNV) 基礎情報& 給与大公開!
国連ボランティア(UNV) コンピテンシーベースドインタビュー経験談 (合格)

前提として、国連組織は事務所の位置(本部、地域事務所、国事務所(ローカルオフィス))や働く組織、部署、国等によって業務や雰囲気等も様々なのであくまで私の経験に基づく話であり一概に言えるものではなく、あくまで私の感想ベースで書いています。
また、全体的な感想はこちらの記事で述べています。
国連ボランティア(UNV) 振り返り/感想

個人的経験に基づくUNVの長所

・国連勤務を体験できた
ー元々国連での勤務を経験できたらと考えていたため、キャリア構築の比較的早い段階である20代半ばで国連を経験できたのは振り返るととても良かったと感じます。インターンなどでも良いのかもしれませんが、実際に組織の雰囲気や仕事内容を経験することで、私の場合大学院の専攻や元々考えていたキャリアプランを変更しようと考えるに至りました。
また、ニッチ国で大使館やJICAなどその国にいるさまざまな関係者とお話したり活動を見聞きする機会がありより、国際協力分野における具体的な仕事を知る機会となったのも大学院進学を控えた立場でとても有益な経験となりました。

・マイナーな国でニッチな場所での仕事(毎日が良くも悪くも刺激的)
ー私はニッチなアフリカ某国で働いていました。そのため仕事でもプライベートでも毎日が刺激に溢れた驚きの連続で、停電やインフラの安全面についてなど大変な側面もありときに大きなストレスもありましたが好奇心強めの性格幸いして楽しむことができました。

<一般論>国連勤務の良いところ

・やっている仕事の意義の大きさ/関心事項が仕事
ーもともとジェンダーに関連する分野で働きたかった私にとって、目の前の仕事に取り組むことがそのまま何かしらの形で女性のサポートになっているということは大きな働くモチベーションでした。

・国連だからこそ出せるインパクトの大きさ(政策提言、省庁との会合) 
ーNGOやJICA等でも国際協力分野で働くことはできますが、国連ならではの利点とすれば国際機関ということで政府や省庁を巻き込んだ仕事ができる分大きなインパクトが出せる点かと思います。ただ、JICAなどの他団体でも省庁を巻き込んだ国レベルの仕事はあるので、この点は国連に限らない話だと思います。

・さまざまな背景の、いろいろな国出身の人と働ける
ー国連ときくと世界各国さまざまな人と働くイメージがあるかもしれないですが、ローカル事務所で働いていた私の場合ローカルスタッフと呼ばれる事務所がある国出身のスタッフがほどんどで、インターナショナルスタッフと呼ばれる外国人スタッフは1%ほどのアジア人は私1人のみでした。そのため、私はグローバルな環境や規範で働くというよりもその国の規範や働き方に合わせる必要がありました。

NYなどの本部ですとおそらくイメージするような世界各国出身の同僚がいる環境なのだと思います。そしてリージョナルオフィスになるとその中間の、その国やその地域出身者が多いけれどインターナショナルスタッフもある一定いるという環境になるのではないかと思います。

 個人的経験に基づくUNVの短所

・赴任までの時間がかなり限られていた
ーオファーから1ヶ月半後には現地にいるようにと通達され(交渉するも認められず)、
1ヶ月半での退職/引越し/アフリカ赴任 は本当に時間が限られており慌ただしく、オファーから赴任までは激動の日々で我ながらよくがんばったと思う忙しさでした。(予防接種、税金関係の手続き、国際免許の発行、渡航国の情報集め、家探し etc. やることもりたくさんでした 泣)
元々大学院進学のために引き継ぎや後任の募集など含めた退職手続きなどを進めていたから良いものの、そうでなければかなり難しい日程感だったと思います。

・仕事放置され気味
ー日本で経験してきた仕事のやり方と比べると本当に放置されていました。手取り足取り教えてもらうことを期待しているわけでもなく、上司にあたるひとと密にコミュニケーション取る努力はしましたが私の初出勤日に上司が今日から1週間の出張、その後休暇に入ると聞いた時はドタバタ赴任と合わせて色んな感情に苛まれました。
同僚にいろいろアピールしたおかげで(?)単発でのイベントや会議のヘルプや議事録取りに抜擢されることはありましたが、仕事は与えられるものではなく作って行く必要があるのだなと再認識した経験でもありました。

<一般論>国連勤務の短所

・常に倍率の高い就活を続ける必要がある
ー契約形態にもよりますが国連は多くが1-3年の有期契約のため、ローカルスタッフでも赴任国であったこの業界に長くいらっしゃる日本人の方でも新しいポジションで仕事を始めると同時に次のポジション/仕事について考え始めていらっしゃる方が多い印象があります。

・パートナー/ライフステージとの折り合い
ー上記点との関連でもありますが、単なる転職ではなく住む国も完全に変わる&途上国の可能性が高い転職を数年ごとに行うのは自分1人でも大変ですが、パートナーや子供がいたらその重みが全然変わってくるだろうとは容易に想像できました。

・官僚主義的(な組織もある)
ー国際機関は公的組織というだけあり、民間企業で働いていた感覚と比べると、予算を使い切ることが重要であったり、さまざまなプロセスにおいて縦割りの承認が必要であったりと感覚が違うことも多々ありました。